会社概要 2012

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財務セクション 経営成績と財務分析

I. 企業集団の状況

当社グループの事業は、「クレジットサービス事業」「リース事業」「ファイナンス事業」「不動産関連事業」「エンタテインメント事業」のセグメントで構成されています。事業セグメントのうち、「クレジットサービス事業」は当社グループの最も重要なセグメントで、当期において連結営業収益合計の約80%を占めています。

当社グループの主な営業収益は、主要なセグメントである「クレジットサービス事業」における、カードショッピングが利用された場合に発生する加盟店手数料、カードショッピングのリボルビング払い、キャッシングや各種ローンなどが利用された場合に発生する顧客手数料で構成されています。

これに対して主な営業費用は、広告宣伝費、ポイント交換費用、貸倒関連費用、人件費、支払手数料、金融費用などで構成されています。

II. 収益および利益の状況

(1)市場環境

当期におけるわが国経済は、東日本大震災により国内景気が大きく影響を受けたものの、復旧・復興に伴い企業の生産活動や個人消費は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、欧州の債務危機を背景とする海外経済の減速懸念や円高の長期化など、先行き不透明な状況で推移しました。

また、ノンバンク業界においては、貸金業法の完全施行などによりカードキャッシング収益が減少し、ビジネスモデルの転換を余儀なくされるなど、依然として厳しい経営環境が続きました。

(2)営業収益

当期の営業収益は、前期比14.6%減の2,440億9百万円となりました。主力の「クレジットサービス事業」において、「セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カード」など稼動効率の高いプレミアムカードの獲得強化や、セブン&アイグループ、ヤフー(株)とのID・ポイント連携など、有力企業とのサービス提携拡充によるカード利用特典の強化を通じたショッピング取扱高の拡大に努めました。また、WEBを活用したタイムリーな訴求強化によるショッピングのリボルビング残高の積み上げの推進や、ネット会員の拡大に加え、「永久不滅ポイント」でのネットショッピング決済を開始するなど、ネットサービスの機能向上によるフィービジネスの拡充など、収益力の強化にも注力しました。しかしながら、貸金業法の改定に伴う総量規制の影響などによりカードキャッシング収益が減少したことに加え、当社が(株)そごう・西武と行っていた提携カードイシュアー事業を(株)セブンCSカードサービスへ承継したことに伴い、新規カード会員数、ショッピング取扱高、ショッピングのリボルビング残高、カードキャッシング残高などが対前期比で減少した影響により、同事業全体では減収となりました。

「リース事業」では、既存取引先との信頼関係強化、新規提携販売店の拡大などに努めた結果、増収となりました。「ファイナンス事業」では、信用保証事業における保証残高の積み上げなどにより増収となりました。「不動産関連事業」では、連結子会社(株)アトリウムの保有資産の評価損等を計上した結果、減収となりました。「エンタテインメント事業」では、東日本大震災による店舗休業・営業時間短縮の影響などにより減収となりました。

(3)営業費用、営業利益

当期の営業費用は、債権管理の強化により債権の健全化が進展したこと、および弁護士・認定司法書士などによる第三者介入債権が沈静化しつつあることにより貸倒関連費用が減少しました。また、環境保全や利便性向上の観点から推進している、ご利用明細書をいつでもネット上で確認できる「WEB明細」の登録会員が増加したことにより通信費が減少したことに加え、業務効率化により各種経費の抑制に努め、筋肉質なコスト構造の構築を図った結果、営業費用は前期比17.9%減の2,121億43百万円となりました。

(4)営業外損益

営業外収益は69億62百万円(前期比3.0%増)、営業外費用は2億37百万円(前期比36.5%減)となりました。

(5)特別損益

特別利益は、(株)セブンCSカードサービスの株式の51%を(株)セブン・フィナンシャルサービスへ譲渡したことに伴う売却益71億40百万円、2011年3月期に計上した東日本大震災による災害損失引当金(貸倒引当金および債務保証損失引当金)の一部戻入益54億92百万円などを計上した結果、132億56百万円(前期比6,909.6%増)となりました。

特別損失は、(株)アトリウムに関する事業再編に伴う保有不動産のたな卸資産評価損や求償債権の貸倒引当金繰入額など関係会社事業整理損失として597億95百万円、退職給付制度改定損16億58百万円などを計上した結果、625億61百万円(前期比400.7%増)となりました。


販売費及び一般管理費の内訳

  (単位:百万円)
2012 2011 増減率
(%)
貸倒関連費用 30,672 66,217 △53.7
うち貸倒引当金繰入額 20,736 44,115 △53.0
うち貸倒損失 2 5 △53.2
うち利息返還損失引当金繰入額 6,974 18,445 △62.2
うち債務保証損失引当金繰入額 2,958 3,651 △19.0
貸倒関連費用を除く販売費及び一般管理費 161,512 169,540 △4.7
うち広告宣伝費 13,580 14,557 △6.7
うちポイント引当金繰入額 11,719 13,729 △14.6
うち人件費 40,686 42,767 △4.9
うち支払手数料 49,197 47,564 3.4
販売費及び一般管理費合計 192,184 235,758 △18.5
(3月31日に終了の会計年度)

III. 株主還元の方針

当社では企業体質の強化と継続的な事業拡大に向けた取り組みが、株主価値の増大のために重要であると考えています。利益還元については、これらを実現する内部留保金の充実を図る一方、株主の皆様へ適正かつ安定的、継続的な配当を行っていくことを基本方針としています。

(1)配当金

配当方針に基づき、当期の1株当たりの配当金は年間30円としました。


セグメント別営業収益および営業利益

  (単位:百万円)
営業収益   営業利益
2012 2011 増減率(%)   2012 2011 増減率(%)
クレジットサービス事業 198,874 230,872 △13.9   27,161 15,972 70.0
リース事業 14,669 14,450 1.5   5,099 5,037 1.2
ファイナンス事業 15,715 15,580 0.9   7,781 6,796 14.5
不動産関連事業 3,059 12,322 △75.2   △10,173 △2,181 -
エンタテインメント事業 12,999 13,939 △6.7   2,064 1,737 18.9
245,317 287,166 △14.6   31,933 27,361 16.7
消去又は全社 (1,308) (1,453) -   △67 15 -
連結 244,009 285,712 △14.6   31,865 27,377 16.4
(3月31日に終了の会計年度)
(注)各セグメントの営業収益および営業利益は、内部営業収益等控除前の数値を記載しています。

IV. セグメントの状況

(1)クレジットサービス事業

当セグメントは、クレジットカード事業、サービサー(債権回収)事業などから構成されています。当期の営業収益は前期比13.9%減の1,988億74百万円、営業利益は同70.0%増の271億61百万円となりました。

1. クレジットカード事業

クレジットカード業界において、カードの利用領域は年々拡大しており、少額決済や公金決済、医療機関などの生活密着型決済への進出のほか、成長するインターネットショッピングでの決済浸透などにより、現金からカード決済への潮流が続いています。一方、貸金業法の改定に伴う総量規制の導入から約2年が経過したものの、各社ともキャッシング市場規模の縮小により、依然として厳しい経営環境が続いています。

このような状況において当社は、現金市場を打ち崩す施策展開によるクレジットカードを中心としたキャッシュレス決済の拡充、ネットビジネスの事業展開拡大とフィービジネスへの取り組み強化など、収益基盤の強化を図りました。また、債権リスクへの取り組み強化や費用対効果を踏まえた経費構造の見直しなどにより、事業効率の向上に努めました。

しかしながら、貸金業法の完全施行に伴う総量規制の影響などによりカードキャッシング収益が大幅に減少したことに加え、当社が(株)そごう・西武と行っていた提携カードイシュアー事業を(株)セブンCSカードサービスへ承継した結果、当期の新規カード会員数は196万人、当期末のカード会員数は2,475万人(前期比12.7%減)となりました。

また、ショッピング取扱高は3兆4,024億円(前期比13.9%減)、ショッピングのリボルビング残高は2,621億円(前期比12.6%減)、カードの年間稼動会員数は1,299万人(前期比11.7%減)、カードキャッシング残高は3,219億円(前期比28.1%減)となりました。

■ クレジットカード事業の当期における主な取り組み

クレジットカードを中心としたキャッシュレス決済の拡充

当社は、高稼動、高単価の見込まれるプレミアムカード戦略を重点施策の一つとしており、4つのステータスラインアップで発行している「セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カード」の会員募集を継続して強化しました。

その一環として、ビジネスシーンや旅行・サービス業における各種企業と提携し、各提携先サービスに対するカード利用特典の付与など、両社の顧客を相互に送客し合うビジネスモデルを構築することにより、サービス提携先顧客のアメリカン・エキスプレス会員化の促進や利用活性を推進しました。

また、ショッピングのリボルビング残高の拡大施策として、ネット会員に対してWEBを活用したタイムリーなリボルビング払いの訴求強化や、1回払いなどのご利用分をあとからネット上でリボルビング払いに変更できるサービスの利便性向上など、残高の積み上げに注力しました。

一方、決済領域の拡大に向けた取り組みとして、2011年8月より旅行・出張・留学など海外渡航者向けに海外専用のプリペイドカード「NEO MONEY(ネオ・マネー)」の発行を開始しました。また同月より、中国での銀行間決済ネットワークを運営する国際ブランド「中国銀聯」と提携し、ユーシーカード(株)とともに、決済総額の増加が期待される銀聯カードの加盟店募集を開始しています。

今後もこれまでのクレジットカードに加え、プリペイドサービスなど新たな決済サービスを拡充していくことで、キャッシュレス決済市場における収益源の確立を図っていきます。

ネットビジネスおよびフィービジネスの強化

当期末のネット会員数は696万人(前期末比25.0%増)となりました。また、ご利用明細書をいつでも手軽にネット上で確認できる「WEB明細」の登録会員数は349万人(前期末比49.8%増)となりました。

当社は約2,500万人の会員資産と有効期限のないポイントプログラム「永久不滅ポイント」を武器に、ポイントサイト「永久不滅.com」を運営していますが、開始から約5年半で700以上のサイト、50,000以上のショップが出店、月商約40億円、日商の最高額が2.4億円になるまで成長を遂げています。

今後も「永久不滅.com」および2011年11月に(株)セブンネットショッピング、グルーポン・ジャパン(株)などと開始した「永久不滅ポイント」をネットショッピングで決済可能とするサービスにより、ネットサービスのさらなる利便性向上および収益拡大に取り組みます。

また、ネット会員情報の最新・精緻化を進めることで、顧客基盤を活用した新たな広告・マーケティング事業収益の獲得にも取り組んでいます。

引き続き、新規ネットビジネス分野の取り組みを強化し、ネット上のさまざまなサービスから収益を生み出す体系を構築していくとともに、WEBの活用によるコスト削減を進めていきます。

債権リスクへの取り組み

延滞債権に対しては早期回収やカウンセリングによる債権保全を継続するとともに、約定入金のさらなる訴求による正常債権の積み上げを引き続き図っていきます。また、初期与信・途上与信においてもリスク抑制に資する審査を実施し、良質債権拡大に向けた施策を展開しています。

今後も与信管理や債権回収体制の強化などのリスク抑制施策を講ずることにより、債権の健全化に注力し、収益とリスクのバランスを保った債権管理を徹底していきます。

■ 新たな展開および今後の取り組み

当社は、(株)セブン&アイ・フィナンシャル・グループ(現(株)セブン・フィナンシャルサービス)および(株)そごう・西武との間で、2010年9月10日に締結した包括提携基本契約に基づき、2011年4月1日を効力発生日とする吸収分割により、当社が(株)そごう・西武と行っている提携カードイシュアー事業を分割し、(株)セブンCSカードサービスに承継しました。

これにより、現在の提携カードサービスに加え、セブン&アイグループにおいて魅力あるサービスをお客さまに提供できるようになり、2011年7月からは、全国のセブン-イレブンとイトーヨーカドーで事前登録済みのセゾン・UCカードをご利用いただくと、通常の「永久不滅ポイント」に加え、「nanacoポイント」が自動的に貯まるポイント提携サービスを開始しています。

これに加え、(株)セブン・カードサービスとのカード事業統合により、セブン&アイグループ全体に事業規模が拡大することから、合弁会社の利益拡大にとどまらず、当社プロセシング収益の拡大やセブン&アイグループへの送客事業、新規サービスの開発など、当社としての中長期的な成長戦略を描くことが可能になるものと考えています。

また当社は、2011年11月にヤフー(株)と、両社顧客の利便性向上を目的とした業務提携を締結しました。ネットとリアル店舗というそれぞれのフィールドにおいて強固な基盤を持つ両社が、各社の強みを最大限に活かして新しいサービスを展開することで、両社の顧客に大きな付加価値を提案できるものと考えています。

今後は、両社のIDを連携し「永久不滅ポイント」から「Yahoo!ポイント」への自動交換を可能とすることで、「永久不滅.com」による「Yahoo! ショッピング」への会員送客を図り、「永久不滅.com」の取扱高拡大に繋げるとともに、日本最大級のジオサービス「Yahoo! ロコ」を活用し、当社提携企業店舗の割引・優待情報の発信を行うなど、ネットとリアルの相互送客サービスの開発により消費の活性化を目指します。

2. サービサー(債権回収)事業

小口無担保債権の受託を主な事業としているJPNホールディングス(株)において、サービサー事業の主軸である業務代行事業が取引先との経済条件改定の影響を受けたものの、人材派遣・テレマーケティング事業における営業拡大や、2010年11月に傘下に統合した民間保育所を展開する(株)キンダーナーサリーコーポレーション(現(株)キンダーナーサリー)の売上高が新たに加わった結果、増収となりました。

(2)リース事業

(社)リース事業協会による統計では、2011年度のリース業界全体の取扱高は4兆5,997億円(前期比1.0%増)となりました。
当社においても、リース既存取引先との信頼関係強化、新規提携販売店の拡大などに努めた結果、当期の取扱高は968億円(前期比4.5%増)、営業収益は146億69百万円(前期比1.5%増)、営業利益は50億99百万円(前期比1.2%増)となりました。

なお、レンタル事業では地デジ対応テレビの入れ替えが一巡したことから、今後の顧客ニーズに対応すべく節電商品や、BtoBtoCおよびBtoBtoBレンタルの販路拡大を行いました。

(3)ファイナンス事業

信用保証事業、ファイナンス関連事業から構成されています。信用保証事業では、提携金融機関との連携強化により保証実行額が増加するとともに、債権の健全化に努めました。ファイナンス関連事業では、長期固定金利住宅ローン「フラット35(住宅金融支援機構買取型)」が収益に貢献しました。

以上の結果、当期における営業収益は157億15百万円(前期比0.9%増)、営業利益は77億81百万円(前期比14.5%増)となりました。

1. 信用保証事業

個人向け証書貸付型フリーローンの保証業務を中心に、提携金融機関との営業・管理両面にわたる密接な連携により、良質な案件の獲得に注力しました。

当期は、新たに地域金融機関43先と提携し、提携先数は合計で308先(前期差43先増)、保証残高(債務保証損失引当金控除前)は1,686億円(前期比7.2%増)となりました。

2. ファイナンス関連事業

不動産を担保とする個人および法人向けの融資事業などを行っています。2009年3月より取り扱いを開始した「フラット35」は、優良住宅取得支援制度(フラット35S)の金利優遇幅縮小などの影響により、当期の実行件数・実行金額は1,771件(前期比9.5%減)・496億円(前期比10.3%減)となりましたが、カード会員向け優待やクレジットカード事業で培った信頼感・安心感などが評価され、取り扱い開始以来では4,278件・1,188億円となりました。2010年7月より取り扱いを開始した「フラット35つなぎローン」を含む、当期末におけるファイナンス関連事業の債権残高は687億円(前期比13.8%減)となりました。

(4)不動産関連事業

当セグメントは、不動産事業、不動産賃貸事業などから構成されています。連結子会社の(株)アトリウム保有資産の評価損などを計上した結果、当期における営業収益は30億59百万円(前期比75.2%減)、営業損失は101億73百万円となりました。

(5)エンタテインメント事業

当セグメントは、アミューズメント事業などから構成されています。遊技台への規制強化の影響が残る中、地域に支持される健全で安心・快適な店作りに取り組んでいます。東日本大震災による店舗休業・営業時間短縮の影響などにより、営業収益は129億99百万円(前期比6.7%減)となりましたが、業務の効率化を推進した結果、営業利益は20億64百万円(前期比18.9%増)となりました。

V. 流動性と財政状態

(1)資金調達と流動性マネジメント

調達政策

当社グループでは資金調達において安定性とコストを重視し、調達手法の多様化を図っています。主な調達方法では、銀行、系統金融機関、生命保険会社、損害保険会社との相対取引のほか、シンジケートローンやコミットメントラインの設定といった間接調達、またコマーシャル・ペーパー(CP)の発行や債権流動化などの直接調達に取り組んでいます。2012年3月31日現在の連結有利子負債(オフバランスによる流動化調達額200億円およびリース債務49億円を含む)は1兆4,098億円で、借入金74.2%、社債15.7%、CP2.3%、営業債権の流動化など7.8%から構成されています。

間接調達については既存取引先とのリレーションを図る一方で、長期の安定的な取引が望める金融機関を対象に、新たな取引先を開拓し調達先の分散化を図るなど、リファイナンスリスクの軽減およびコスト削減に努めています。また、直接調達については普通社債やCP以外に、当社の信用状況に左右されない債権の流動化など、新たな資金調達手法を組成することにより、流動性リスクの軽減やコスト削減を図っています。

当社では資本市場から円滑な資金調達を行うため、発行する債券について(株)格付投資情報センター(R&I)から国内無担保社債に「A+」、国内CPに「a-1」の格付けを取得しています。

流動性の確保

当社グループの保有する資産のうち64.0%がクレジットサービス事業を中心とした割賦売掛金であり、その回転率も年間平均4回を上回り、高い流動性を維持しています。

(2)キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フロー

当期における営業活動により得られたキャッシュ・フローは、256億11百万円(前期は1,520億62百万円の収入)となりました。

これは主に、関係会社事業整理損失597億95百万円の計上があった一方で、営業債権の純増額である471億3百万円の支出によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フロー

当期における投資活動により得られたキャッシュ・フローは、1,231億37百万円(前期は352億69百万円の支出)となりました。

これは主に、当社が(株)そごう・西武と行っていた提携カードイシュアー事業を(株)セブンCSカードサービスへ承継したことに伴う1,357億94百万円の収入によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フロー

当期における財務活動に使用したキャッシュ・フローは、1,612億36百万円(前期は1,174億19百万円の支出)となりました。

これは主に、長期借入金の返済に伴う1,575億19百万円の支出によるものです。

以上の結果、当期末における現金及び現金同等物は、前期末と比較して125億26百万円減少し、600億円となりました。

(3)資産、負債および純資産

当期末の総資産は、前期末と比較して753億40百万円減少し、2兆1,559億6百万円となりました。主な減少要因としては、2011年4月1日を効力発生日とする会社分割などにより、割賦売掛金が1,113億71百万円減少したことによるものです。

当期末の負債は、前期末と比較して831億52百万円減少し、1兆8,001億78百万円となりました。この減少分の内、CPや社債の償還などにより有利子負債が1,546億30百万円減少しています。

当期末の純資産は、前期末と比較して78億11百万円増加し、3,557億27百万円となりました。この増加分のうち、利益剰余金が39億6百万円増加しています。

VI. 債権リスクの状況

管理ベースの割賦売掛金残高およびリース投資資産残高に偶発債務を加算した残高(以下「営業債権」という)のうち、3ヵ月以上延滞債権残高は1,204億22百万円(前期末比29.1%減)となりました。当期末の貸倒引当金残高(流動資産)は、951億72百万円(前期末比19.8%減)となりました。これらの結果、3ヵ月以上延滞債権残高に対する充足率は、前期末の175.8%から当期末は200.5%に上昇しました。

営業債権に対する延滞および引当状況

  (単位:百万円)
2012 2011 増減率(%)
営業債権残高(1) 1,786,198 1,981,604 △9.9
3ヵ月以上延滞債権残高(2) 120,422 169,770 △29.1
(2)のうち担保相当額(3) 72,943 102,311 △28.7
貸倒引当金残高(流動資産)(4) 95,172 118,625 △19.8
3ヵ月以上延滞比率
(=(2)÷(1))
6.7% 8.6% -
3ヵ月以上延滞債権に対する充足率
(=(4)÷((2)-(3)))
200.5% 175.8% -
(参考)担保相当額控除後
3ヵ月以上延滞比率
(=((2)-(3))÷(1))
2.7% 3.4% -
(3月31日に終了の会計年度)

有利子負債構成比

有利子負債構成比

純資産および自己資本比率

純資産および自己資本比率

3ヶ月以上延滞率および償却率

3ヶ月以上延滞率および償却率

貸倒引当金の動態

  (単位:百万円)
2012 2011 増減率(%)
期首貸倒引当金残高 123,594 126,496 △2.3
増加 35,693 55,936 △36.2
減少 61,857 58,838 5.1
期末貸倒引当金残高 97,430 123,594 △21.2
(参考)貸倒損失 2 5 △53.2
(3月31日に終了の会計年度)
(注)2011年3月期の増加額には、2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴い計上した貸倒引当金繰越額8,156百万円を含んでいます。

VII. リスク情報

本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1)経済状況

当社グループの主要事業であるクレジットサービス事業、リース事業、ファイナンス事業、不動産関連事業およびエンタテインメント事業の業績および財政状態は、国内の経済状況の影響を受けます。すなわち、景気後退に伴う雇用環境、家計可処分所得、個人消費などの悪化が、当社グループが提供しているクレジットカードやローン、信用保証および不動産担保融資などの取り扱い状況や返済状況、ひいては営業収益や貸倒関連費用などに悪影響を及ぼす可能性があります。

また、中小規模の企業を主要顧客とするリース事業についても、景気後退に伴う設備投資低迷や企業業績悪化によって、営業収益や貸倒関連費用をはじめとした業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)調達金利の変動

社債の発行や金融機関からの借入などに加え、金利スワップなどの活用により資金の安定化、固定化を図るなど、金利上昇への対応を進めていますが、想定以上の金融情勢の変動や当社グループの格付けの引き下げによって調達金利が上昇し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。すなわち、貸付金利などの変更は、顧客との規約の変更、同業他社の適用金利など、総合的判断が必要とされるため、調達金利の上昇分を適用金利に転嫁できない事態が生じた結果、利鞘の縮小を招く可能性があります。

(3)競争環境

日本の金融制度は近年大幅に規制が緩和されてきており、これに伴ってリテール金融業界再編の動きが活発化しています。クレジットカード業界においても大型統合の実現や異業種からの新規参入が増加するなど、ますます競争が激化しています。このような市場変化に伴い、加盟店手数料率の低下をはじめとした、取引先との取引条件の変更などが生じた場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)主要提携先の業績悪化

クレジットサービス事業において、提携カード発行契約あるいは加盟店契約などを通じて多数の企業や団体と提携していますが、こうした提携先の業績悪化が、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社の有力なカード会員獲得チャネルである、提携小売企業の集客力や売上の落ち込みが会員獲得の不調や取扱高の低迷につながり、ひいては営業収益にマイナスの影響を与える可能性があります。

また、当社グループはこうした提携先の一部と出資関係を結んでいるため、提携先の業績悪化が、保有する有価証券の評価損をもたらす可能性があります。

(5)システムオペレーションにおけるトラブル

クレジットサービス事業をはじめとして、当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたるオペレーションを実施しています。従って、当社グループもしくは外部接続先のハードウエアやソフトウエアの欠陥などによるシステムエラー、アクセス数の増加などの一時的な過負荷による当社グループもしくは外部接続先のシステムの作動不能、自然災害や事故などによる通信ネットワークの切断、不正もしくは不適切なオペレーションの実施といった事態が生じた場合、当社グループの営業に重大な支障をきたし、ひいては当社グループに対する信頼性の著しい低下などにより、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)個人情報の漏洩等

当社グループは、カード会員情報などの個人情報を大量に有しており、適正管理に向けた全社的な取り組みを実施していますが、万が一、個人情報の漏洩や不正利用などの事態が生じた場合、個人情報保護法に基づく業務規程違反として勧告、命令、罰則処分を受ける可能性があります。これにより、当社グループに対する信頼性が著しく低下することで、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)規制の変更

当社グループは、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しています。当社グループの事業は、「割賦販売法」「貸金業法」、その他の法令の適用を受けていますが、これらの法令の将来における改定もしくは解釈の変更や厳格化、または新たな法的規制によって発生する事態により、当社グループの業務遂行や業績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、利息制限法に定められた利息の上限金利を超過する部分に対して、不当利得として返還を請求される場合があります。当社グループは将来における当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上していますが、今後の法的規制の動向などによって当該返還請求が予想外に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度などを予測することは非常に困難であり、当社グループがコントロールしうるものではありません。

(8)たな卸資産および固定資産の減損または評価損

当社グループが保有する土地・建物の時価が著しく下落した場合、または固定資産を使用している事業の営業損益に悪化が見られ、短期的にその状況の回復が見込まれない場合、当該固定資産の減損が発生し業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資有価証券・関係会社株式・出資金について、時価が著しく下落および投資先の業績が著しく悪化した場合には評価損が発生する可能性があります。

(9)自然災害等

地震などの大規模な自然災害により、当社グループの保有する店舗や施設などへの物理的な損害、従業員への人的被害があった場合には、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

VIII. 2013年3月期の見通し

2013年3月期における当社グループを取り巻く経営環境は、経済活動や景気動向の先行き不透明感が払拭できないことに加え、クレジットカード業界においても、貸金業法および割賦販売法の改定による事業収益構造の変化など、厳しい状況が続いています。

このような経営環境の中、当社は次の重点事項に取り組み、将来の事業基盤形成による継続的な成長を実現していきます。

  • 現金市場を打ち崩す施策展開によるクレジットカードを中心としたキャッシュレス決済の拡充
  • ネットビジネスを中心としたフィービジネスの拡充と会員資産を活用した広告・マーケティング事業の育成
  • リース事業やファイナンス事業などノンバンク化の推進による収益源の多様化
  • 与信管理・回収体制強化による債権の健全化や経費構造の転換による事業の筋肉質化
  • コーポレート・ガバナンスの強化とグループ内事業ポートフォリオの再構築

以上を踏まえ、2013年3月期の連結業績予想は、営業収益2,500億円、営業利益430億円、経常利益500億円、当期純利益290億円、個別業績予想は営業収益2,060億円、営業利益385億円、経常利益415億円、当期純利益230億円を見込んでいます。

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