会社概要 2011

財務セクション 経営成績と財務分析

I. 企業集団の状況

営業収益

営業収益
(3月31日に終了の会計年度)

当社グループの事業は、「クレジットサービス事業」、「リース事業」、「ファイナンス事業」、「不動産関連事業」、「エンタテインメント事業」のセグメントで構成されています。事業セグメントのうち、「クレジットサービス事業」は当社グループの最も重要なセグメントで、当期において連結営業収益合計の約80%を占めています。

当社グループの主な営業収益は、主要なセグメントである「クレジットサービス事業」における、カードショッピングが利用された場合に発生する加盟店手数料、カードショッピングのリボルビング払い、キャッシングや各種ローンなどが利用された場合に発生する顧客手数料で構成されています。

これに対して主な営業費用は、広告宣伝費、ポイント交換費用、貸倒関連費用、人件費、支払手数料、金融費用などで構成されています。

II. 収益および利益の状況

(1)市場環境

当期のわが国経済は、政府の経済対策により景気の持ち直しの動きが見られたものの、円高・株安、さらに2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により経済活動が落ち込むなど、先行き不透明感の強い状況となりました。

なお、ノンバンク業界においては、消費者金融・カードビジネス企業が存続基盤を失い、メガバンク傘下に編入もしくは上場廃止に追い込まれ、上場している企業もその存続が困難になりつつあります。

(2)営業収益

当期の営業収益は、前期に比べ6.9%減の2,857億12百万円と減収になりました。主力の「クレジットサービス事業」において、 高稼動・高単価の見込まれるプレミアムカードの拡充や、 ウォルマートグループとの新提携カード発行など提携戦略の強化によりショッピング取扱高の拡大を図りました。 また、有効期限のないポイントプログラム「永久不滅ポイント」がお得に貯まるポイントサイト 「永久不滅.com」を 16歳以上のすべての方に開放するとともに、 ネット有力企業との相互送客によりネット会員を増強し成果報酬の拡大に取り組むなど、収益基盤の拡充に注力しました。しかしながら、総量規制の影響などによってカードキャッシング収益が減少し、同事業全体では減収となりました。「リース事業」では、企業の設備投資抑制傾向により取扱高は減少しましたが、新リース会計基準の影響などにより増収となりました。一方、「ファイナンス事業」では、「フラット35」などの収益が増加したものの、不動産融資の残高が減少したことにより減収に、「不動産関連事業」および「エンタテインメント事業」では、売上高が減少したことにより減収となりました。

(3)営業費用、営業利益

効率化を優先したコスト削減施策の実施により、広告宣伝費および人件費などの抑制を行いました。ポイント引当金繰入額が137億29百万円(前期比1億47百万円、1.1%減)、広告宣伝費が145億57百万円(同16億93百万円、10.4%減)、支払手数料が475億64百万円(同18億51百万円、3.7%減)、人件費が427億67百万円(同23億42百万円、5.2%減)となっています。債権管理の強化に努めたことおよび、弁護士・認定司法書士などによる第三者介入債権が前年の増加傾向に比べ沈静化しつつあることにより貸倒関連費用が減少しました。これらの結果、販売費及び一般管理費は前期に比べ105億47百万円(4.3%)減の2,357億58百万円となりました。なお、金融費用は有利子負債が減少したことにより225億77百万円(同17億99百万円、7.4%減)となっています。これらの結果、当期の営業利益は前期に比べ87億96百万円(24.3%)減の273億77百万円となりました。また環境保全や利便性向上の観点から推進している、ご利用明細書をいつでもネット上で確認できる「WEB明細」の登録会員を拡大したことにより、通信費が大きく減少しました。

(4)営業外損益

営業外収益は、前期に比べ60.3%増加し67億58百万円、営業外費用は前期に比べ70.8%減少し3億73百万円となりました。主な増減要因は、持分法投資利益を20億9百万円計上したことによるものです。

(5)特別損益

特別利益は、固定資産売却益の計上などにより前期に比べ53.8%減少し、1億89百万円となりました。特別損失は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響による損失99億86百万円を計上したことなどにより、前期に比べ246.9%増加し124億94百万円となりました。以上の結果、当期純利益は128億29百万円となりました。


販売費及び一般管理費の内訳

  (単位:百万円)
2011 2010 増減率
(%)
貸倒関連費用 66,217 67,379 △1.7
うち貸倒引当金繰入額 44,115 53,784 △18.0
うち貸倒損失 5 0 5,980.9
うち利息返還損失引当金繰入額 18,445 9,109 102.5
うち債務保証損失引当金繰入額 3,651 4,486 △18.6
貸倒関連費用を除く販売費及び一般管理費 169,540 178,925 △5.2
うち広告宣伝費 14,557 16,251 △10.4
うちポイント引当金繰入額 13,729 13,877 △1.1
うち人件費 42,767 45,109 △5.2
うち支払手数料 47,564 49,416 △3.7
販売費及び一般管理費合計 235,758 246,305 △4.3
(3月31日に終了の会計年度)

III. 株主還元の方針

当社では企業体質の強化と継続的な事業拡大に向けた取り組みが、株主価値増大のために重要であると考えています。利益還元については、これらを実現する内部留保金の充実を図る一方、株主の皆様へ適正かつ安定的、継続的な配当を行っていくことを基本方針としています。

(1)配当金

配当方針に基づき、当期の1株当たりの配当金は年間30円といたしました。


セグメント別営業収益および営業利益

  (単位:百万円)
営業収益   営業利益
2011 2010 増減率(%)   2011 2010 増減率(%)
クレジットサービス事業 230,872 250,174 △7.7   15,972 25,626 △37.7
リース事業 14,450 12,574 14.9   5,037 2,128 136.7
ファイナンス事業 15,580 16,827 △7.4   6,796 5,011 35.6
不動産関連事業 12,322 15,021 △18.0   △2,181 1,825 -
エンタテインメント事業 13,939 14,648 △4.8   1,737 1,729 0.4
287,166 309,247 △7.1   27,361 36,321 △24.7
消去又は全社 (1,453) △2,391 -   15 (147) -
連結 285,712 306,855 △6.9   27,377 36,173 △24.3
(3月31日に終了の会計年度)
(注)各セグメントの営業収益および営業利益は、内部営業収益等控除前の数値を記載しています。

IV. セグメントの状況

(1)クレジットサービス事業

当セグメントは、クレジットカード事業、サービサー(債権回収)事業などから構成されています。当期の営業収益は前期に比べ7.7%減の2,308億72百万円、営業利益は同37.7%減の159億72百万円となりました。

1. クレジットカード事業

クレジットカード業界は、少額決済分野や公金・医療機関などの生活に密着した決済分野への進出のほか、インターネットショッピングやデジタルコンテンツ市場の拡大など、カード利用領域は年々拡大しています。一方、貸金業法の完全施行や割賦販売法の改定は、キャッシング市場規模の縮小や法対応のための各種コストの増大などに波及し、各社とも依然として厳しい経営環境が続くものと予想されます。

このような状況のもと、当社はステータスの高いプレミアムカードの拡充や提携戦略の強化、決済領域の拡大やネットビジネス分野への取り組み強化など、収益基盤の強化を図りました。また、債権リスクへの取り組みや費用対効果を踏まえた経費構造の見直しなどにより、事業効率の向上に努めました。

当期の新規カード会員数は212万人、当期末のカード総会員数は2,834万人(前期比0.2%増)となりました。

また、ショッピング取扱高は3兆9,534億円(前期比2.8%増)、ショッピングのリボルビング残高は2,999億円(前期比0.6%増)、カードの年間稼動会員数は1,470万人(前期比2.6%増)となりました。一方、カードキャッシング残高は4,476億円(前期比25.0%減)となりました。

■ クレジットカード事業の当期における主な取り組み

提携ネットワークの拡充

当社は、高稼動・高単価の見込まれるプレミアムカード戦略を重点施策の一つとしており、新たに4つのステータスラインアップで発行した「セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カード」の会員募集を継続して強化しました。

また、ウォルマート・ジャパン・ホールディングス合同会社および合同会社西友と新たに提携し、全国の西友など各店舗で毎日いつでも1%割引を受けられる「ウォルマートカード セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カード」を発行し、ファーストカード化による売上・収益の拡大に努めました。一方、決済領域の拡大に向けた取り組みとして、オンラインで申し込みが完結する新たなカードレスB2B代金収納サービスを開発し、ヤフー(株)との業務提携により「Yahoo!ショッピング」、「Yahoo!オークション」に出店する事業者向けに決済サービスの提供を開始しました。また、インターネット通販サイト「ユニクロ・ジーユーオンラインストア」で利用できるハウスギフトカード「ユニクロオンラインギフトカード」を発行し、プリペイドカード事業に参入しました。

WEB戦略の強化

当期末のネット会員は557万人(前期末比30.7%増)となりました。また、ご利用明細書をいつでも手軽にネット上で確認できる「WEB明細」の登録会員は、233万人(前期比164.8%増)となりました。

当社は2,800万人を超える会員資産と有効期限のない「永久不滅ポイント」を武器に、オンラインショッピングモール「永久不滅.com」を運営していますが、開始から約4年半で出店企業数580店、月商約35億円、日商の最高額が約1億60百万円になるまで成長を遂げています。さらに当期は、セゾン・UCカードをお持ちでない方を含む16歳以上のすべての方がネット会員にご登録でき、「永久不滅.com」のサービスをご利用いただけるようになりました。

また、大規模な顧客基盤とブランド力を持つネット企業である(株)ディー・エヌ・エーおよびグリー(株)との相互送客によりネット会員の拡大を図るとともに、「クーポン共同購入サービス」でポイントが貯まるサービスや、「ブランド品買い取り」や「海外オークションでの落札・購入」でポイントが貯まるサービスを「永久不滅.com」に追加するなど、新規収益源の創出に取り組みました。

今後も新規ネットビジネス分野の取り組みを強化し、ネット上のさまざまなサービスからの成果報酬をフィービジネスとして収益の柱に育てるとともに、WEBの活用によるコスト削減を進めていきます。

債権リスクへの取り組み

弁護士・認定司法書士などによる第三者介入債権は以前の増加傾向に比べ沈静化しつつありますが、利息返還請求は依然として高止まり傾向が続いています。

また、東日本大震災の発生に伴い、被害に遭われたカード会員の方々からのお支払い相談などへ柔軟に対応していくとともに、経済活動の混乱が債権リスクに与える影響についても注視していくことが必要だと考えています。

今後も途上与信管理や債権回収体制の強化などのリスク抑制施策を講ずることにより債権の健全化に注力し、適正な利用枠の付与による収益とリスクのバランスを保った与信管理を徹底していきます。

■ 新たな展開および今後の取り組み

当社は、(株)セブン&アイ・フィナンシャル・グループ(現(株)セブン・フィナンシャルサービス)および(株)そごう・西武との間の吸収分割により、当社が(株)そごう・西武と行っている提携カードイシュアー事業を分割し、2010年9月17日に設立した(株)セブンCSカードサービスに承継しました。

これにより、現在の提携カードサービスに加え、セブン&アイグループでの魅力あるサービスをお客さまに提供できるほか、(株)セブン・カードサービスとのカード事業統合により、セブン&アイグループ全体に事業規模が拡大することから、合弁会社の利益拡大にとどまらず、当社プロセシング収益の拡大やセブン&アイグループへの送客事業、新規サービスの開発など、当社としての中長期的な成長戦略を描くことが可能になるものと考えています。

また、当社は、KDDI(株)やソフトバンクモバイル(株)などと、次世代の非接触IC技術である「NFC(Near Field Communication)」を用いた決済の実証実験を開始しました。本実験は、NFCを搭載した携帯電話にMasterCard®PayPass™をダウンロードし、国内・韓国・欧州のMasterCard加盟店設置端末にかざして決済するもので、複数国にまたがるモバイル決済実験としては世界初の事例となります。

当社は今後もこのような大型提携や携帯電話を活用した新規事業など、事業環境の変化に対応したイノベーションを具体化させ、業界No.1を目指します。

2. サービサー(債権回収)事業

小口無担保債権回収の受託を主な事業としているJPNホールディングス(株)において、2010年11月に、民間保育所27園を展開する(株)キンダーナーサリーコーポレーションの株式を取得し、保育事業に参入しました。

当期における営業収益は、JPNホールディングス(株)の傘下に統合した(株)ヒューマンプラスおよび(株)キンダーナーサリーコーポレーションの売上高が新たに加わったものの、サービサー事業が取引先との経済条件改定などの影響を受けたことにより、減収となりました。

(2)リース事業

(社)リース事業協会による統計では、2010年度(速報値)のリース業界全体の取扱高は4兆5,462億円(前期比7.5%減)となりました。当社においても、企業の設備投資抑制傾向により取扱高は901億円(前期比10.2%減)となったものの、リース既存取引先との信頼関係強化や経済条件の改定、新規提携販売店の拡大を継続するとともに、債権健全化による貸倒関連費用の減少や新リース会計基準の影響などの結果、当期における営業収益は、144億50百万円(前期比14.9%増)、営業利益は50億37百万円(前期比136.7%増)となりました。

なお、レンタル事業では、2010年11月をもって制度変更がなされたエコポイントの駆け込み需要による地デジ対応テレビ拡販のほか、取次店チャネルの強化およびB2B2Cレンタル取引の拡大により、取扱高は25億円(前期比496.5%増)となりました。

(3)ファイナンス事業

当セグメントは、信用保証事業、ファイナンス関連事業などから構成されています。当期においては、ファイナンス関連事業である長期固定金利住宅ローン「フラット35」の収益が増加する一方、不動産融資などのローン残高が減少しました。また、信用保証事業では、健全な債権の積み上げに注力したことで貸倒関連費用が減少したことから、当期における営業収益は155億80百万円(前期比7.4%減)、営業利益は67億96百万円(前期比35.6%増)となりました。

1. 信用保証事業

個人向け証書貸付型フリーローンの保証業務を中心に、提携金融機関との営業・管理両面にわたる密接な連携により、良質な案件の獲得に注力しました。

また、当期は新たに地域金融機関49先と提携し、提携先数は合計で265先(前期差47先増)、保証残高(債務保証損失引当金控除前)は1,573億円(前期比8.1%減)となりました。

2. ファイナンス関連事業

不動産を担保とする個人および法人向けの融資事業などを行っています。

2009年3月より取り扱いを開始した長期固定金利住宅ローン「フラット35」は、カード会員向け優待やクレジットカード事業で培った信頼感・安心感などが評価され、当期の実行件数・取扱高は、1,957件・553億円、取扱開始以来では2,507件・692億円となりました。

また、2010年7月より、「フラット35」での資金受け取り前に、土地取得資金の先行支払や建築着工金・中間金といった支払資金にご利用いただける「フラット35つなぎローン」の取り扱いを開始しました。

以上により、当期のファイナンス関連事業の債権残高は、798億円(前期比9.6%増)となりました。

(4)不動産関連事業

当セグメントは、不動産事業、不動産賃貸事業などから構成されています。不動産賃貸事業では安定的な売上を得る一方、不動産事業では不動産売上が減少した結果、当期における営業収益は123億22百万円(前期比18.0%減)、営業損失は21億81百万円となりました。

(5)エンタテインメント事業

当セグメントは、アミューズメント事業などから構成されています。地域に支持される健全で安心・快適な店づくりに取り組み、事務の効率化を推進した結果、当期における営業収益は139億39百万円(前期比4.8%減)、営業利益は17億37百万円(前期比0.4%増)となりました。

V. 流動性と財政状態

(1)資金調達と流動性マネジメント

調達政策

当社グループでは資金調達において安定性とコストを重視し、調達手法の多様化を図っています。主な調達方法では、銀行、系統金融機関、生命保険会社、損害保険会社との相対取引のほか、シンジケート・ローンやコミットメントラインの設定といった間接調達、またコマーシャル・ペーパー(CP)の発行や債権流動化などの直接調達に取り組んでいます。2011年3月31日現在の連結有利子負債(オフバランスによる流動化調達額1,134億円およびリース債務55億円を含む)は1兆6,578億円であり、借入金65.1%、社債15.4%、CP6.6%、営業債権の流動化など12.9%から構成されています。

間接調達については既存取引先とのリレーションを図る一方で、長期の安定的な取引が望める金融機関を対象に、新たな取引先を開拓し調達先の分散化を図るなど、リファイナンスリスクの軽減およびコスト削減を努めています。また、直接調達については普通社債やコマーシャル・ペーパー以外に、当社の信用状況に左右されない債権の流動化など、新たな資金調達手法を組成することにより、流動性リスクの軽減やコスト削減を図っています。

当社では資本市場から円滑な資金調達を行うため、発行する債券について(株)格付投資情報センター(R&I)から国内無担保社債に「A+」、国内CPに「a-1」の格付けを取得しています。

流動性の確保

当社グループの保有する資産のうち66.8%がクレジットサービス事業を中心とした割賦売掛金であり、その回転率も年間平均3回を上回り、高い流動性を維持しています。

(2)キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られたキャッシュ・フローは、1,520億62百万円(前期は991億34百万円の収入)となりました。

これは主に、割賦売掛金などの営業債権の純減額である1,980億47百万円の収入がある一方で、営業債務の純減額である356億91百万円の支出によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フロー

当期において投資活動に使用したキャッシュ・フローは、352億69百万円(前期は140億42百万円の支出)となりました。

これは主に、次期システムの開発などに伴う有形および無形固定資産の取得による372億72百万円の支出によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フロー

当期において財務活動に使用したキャッシュ・フローは、1,174億19百万円(前期は802億43百万円の支出)となりました。

これは主に、債権流動化借入金の返済による549億62百万円の支出および短期借入金の純減額である488億94百万円の支出によるものです。

以上の結果、当期における現金及び現金同等物は、前期と比較して6億61百万円減少し、さらに新規連結に伴う現金及び現金同等物が57百万円増加した結果、期末残高は725億26百万円となりました。

(3)資産、負債および純資産

当期末の総資産は、前期末と比較して1,428億82百万円減少し、2兆2,312億46百万円となりました。主な減少要因としては、貸金業法の改定によりカードキャッシング残高が減少したことによるものです。

当期末の負債は、前期末と比較して1,493億93百万円減少し、1兆8,833億30百万円となりました。この減少分の内、金融機関への借入金返済や債権流動化の償還などにより有利子負債が1,083億95百万円減少しています。

当期末の純資産は、前期末と比較して65億10百万円増加し、3,479億15百万円となりました。この増加分のうち、利益剰余金が63億91百万円増加しています。

VI. 債権リスクの状況

管理ベースの割賦売掛金およびリース投資資産残高に偶発債務を加算した残高(以下「営業債権」という)のうち、3ヵ月以上延滞債権残高は1,697億70百万円(前期比23.6%減)となりました。期末の貸倒引当金残高(流動資産)は、1,186億25百万円(前期比2.3%減)となりました。これらの結果、3ヵ月以上延滞債権残高に対する充足率は前期末の156.2%から175.8%に上昇しました。

営業債権に対する延滞および引当状況

  (単位:百万円)
2011 2010 増減率(%)
営業債権残高(1) 1,981,604 2,199,237 △9.9
3ヵ月以上延滞債権残高(2) 169,770 222,273 △23.6
(2)のうち担保相当額(3) 102,311 144,517 △29.2
貸倒引当金残高(流動資産)(4) 118,625 121,458 △2.3
3ヵ月以上延滞比率
(=(2)÷(1))
8.6% 10.1% -
3ヵ月以上延滞債権に対する充足率
(=(4)÷((2)-(3)))
175.8% 156.2% -
(参考)担保相当額控除後
3ヵ月以上延滞比率
(=((2)-(3))÷(1))
3.4% 3.5% -
(3月31日に終了の会計年度)

有利子負債構成比

有利子負債構成比

純資産および自己資本比率

純資産および自己資本比率

3ヶ月以上延滞率および償却率

3ヶ月以上延滞率および償却率

貸倒引当金の動態

  (単位:百万円)
2011 2010 増減率(%)
期首貸倒引当金残高 126,496 121,886 3.8
増加 55,936 60,062 △6.9
減少 58,838 55,451 6.1
期末貸倒引当金残高 123,594 126,496 △2.3
(参考)貸倒損失 5 0 5,980.9
(3月31日に終了の会計年度)
(注)2011年3月期の増加額には、2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴い計上した貸倒引当金繰越額8,156百万円を含んでいます。

VII. リスク情報

本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経済状況

当社グループの主要事業であるクレジットサービス事業、ファイナンス事業および不動産関連事業の業績および財政状態は、国内の経済状況の影響を受けます。すなわち、景気後退に伴う雇用環境、家計可処分所得、個人消費などの悪化が、当社グループが提供しているクレジットカードやローン、信用保証および不動産担保融資などの取扱状況や返済状況、ひいては営業収益や貸倒関連費用などに悪影響を及ぼす可能性があります。

また、中小規模の企業を主要顧客とするリース事業についても、景気後退に伴う設備投資低迷や企業業績悪化によって、営業収益や貸倒関連費用をはじめとした業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 調達金利の変動

社債の発行や金融機関からの借入などに加え、金利スワップなどの活用により資金の安定化・固定化を図るなど、金利上昇への対応を進めていますが、想定以上の金融情勢の変動や当社グループの格付けの引き下げによって調達金利が上昇し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。すなわち、貸付金利などの変更は、顧客との規約の変更、同業他社の適用金利など、総合的判断が必要とされるため、調達金利の上昇分を適用金利に転嫁できない事態が生じた結果、利鞘の縮小を招く可能性があります。

(3) 競争環境

日本の金融制度は近年大幅に規制が緩和されてきており、これに伴ってリテール金融業界再編の動きが活発化しています。クレジットカード業界においても大型統合の実現や異業種からの新規参入が増加するなど、ますます競争が激化しています。このような市場変化に伴い、加盟店手数料率の低下をはじめとした、取引先との取引条件の変更などが生じた場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 主要提携先の業績悪化

クレジットサービス事業において、提携カード発行契約あるいは加盟店契約などを通じて多数の企業や団体と提携していますが、こうした提携先の業績悪化が、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社の有力なカード会員獲得チャネルである、提携小売企業の集客力や売上の落ち込みが会員獲得の不調や取扱高の低迷につながり、ひいては営業収益にマイナスの影響を与える可能性があります。

また、当社グループはこうした提携先の一部と出資関係を結んでいるため、提携先の業績悪化が、保有する有価証券の評価損をもたらす可能性があります。

(5) システム・オペレーションにおけるトラブル

クレジットサービス事業をはじめとして、当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたるオペレーションを実施しています。したがって、当社グループ若しくは外部接続先のハードウエアやソフトウエアの欠陥などによるシステムエラー、アクセス数の増加などの一時的な過負荷による当社グループ若しくは外部接続先のシステムの作動不能、自然災害や事故などによる通信ネットワークの切断、不正若しくは不適切なオペレーションの実施といった事態が生じた場合、当社グループの営業に重大な支障を来し、ひいては当社グループに対する信頼性の著しい低下などにより、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 個人情報の漏洩等

当社グループは、カード会員情報などの個人情報を大量に有しており、適正管理に向けた全社的な取り組みを実施していますが、万が一、個人情報の漏洩や不正利用などの事態が生じた場合、個人情報保護法に基づく業務規程違反として勧告、命令、罰則処分を受ける可能性があります。これにより、当社グループに対する信頼性が著しく低下することで、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 規制の変更

当社グループは、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しています。当社グループの事業は、「割賦販売法」、「貸金業法」、その他の法令の適用を受けていますが、これらの法令の将来における改定若しくは解釈の変更や厳格化、または新たな法的規制によって発生する事態により、当社グループの業務遂行や業績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、利息制限法に定められた利息の上限金利を超過する部分に対して、不当利得として返還を請求される場合があります。当社グループは将来における当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上していますが、今後の法的規制の動向などによって当該返還請求が予想外に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度などを予測することは非常に困難であり、当社グループがコントロールしうるものではありません。

(8) たな卸資産および固定資産の減損または評価損

当社グループが保有する土地・建物の時価が著しく下落した場合、または固定資産を使用している事業の営業損益に悪化がみられ、短期的にその状況の回復が見込まれない場合、当該固定資産の減損が発生し業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資有価証券・関係会社株式・出資金について、時価が著しく下落した場合、または投資先の業績が著しく悪化した場合には、評価損が発生する可能性があります。

(9) 退職給付債務

当社グループの年金資産の時価が著しく下落した場合、または退職給付債務の数理計算に用いる前提条件に著しい変更があった場合には、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

VIII. 2012年3月期の見通し

2012年3月期における当社グループを取り巻く経営環境については、東日本大震災がわが国全体に多大な影響を及ぼしており、経済活動や景気動向など先行きの不透明感が払拭できない状況にあります。また、クレジットカード業界においては、貸金業法および割賦販売法の改定による事業収益構造の変化など、引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。

このような経営環境の中、当社は次の重点事項に取り組み、将来の事業基盤形成による継続的な成長を実現していきます。

  • 現金市場を打ち崩す施策展開によるカードビジネスを核としたトップライン収益の拡大
  • ネットビジネスの強化によるフィービジネスの拡充と会員資産を活用したマーケティング事業の育成
  • リース事業やファイナンス事業の強化による収益源の多様化
  • 与信管理・回収体制強化による債権の良質化や経費構造の転換による事業の筋肉質化
  • コーポレート・ガバナンスの強化によるグループ内事業ポートフォリオの再構築

以上を踏まえ、2012年3月期の連結業績予想は、営業収益2,610億円、営業利益245億円、経常利益300億円、当期純利益170億円、単体ベースでは営業収益2,160億円、営業利益205億円、経常利益230億円、当期純利益130億円を見込んでいます。

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